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平成十九年三月十三日開設。つまらんことしか書いてないです。 YAHOOなどの検索サイトから誤って来られた方は、申し訳ないですがブラウザバックでお戻りください。 キタユメ。様とは無関係です。二次創作やってます。
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マイケルのつづりををミッシェルと読みました、どうも管理人です。
昨日テニスの20.5巻を買ってウハウハしながら読んでました。・・・宿題は?
気にするな。気にしたら負けだ!!

アメの食べすぎで顎がやばい事になってます。もうすぐでリアルに二重です。
腹もやばいよ~。水着は嫌とかそんなレべルじゃなく無理、というか物理的に不可能。
そんくらいやばいです。運動しないバチはこんな形で当たるんですね。

明日は写真現像しよう。一本フィルム終わったから。我が家のお猫様を撮りまくりました。
可愛いったらありゃしない。
でも隙あらば私の椅子の下に忍び込もうとするのはやめてくれ!!

あの空の色
 
 「君には空の色がわかるかい?」
 彼の質問は何時も唐突だ。何時も唐突なのだから、慣れてしまっても可笑しくは無いのに、僕は何時まで経っても、慣れることが出来ずにいた。それと言うのも、彼の質問が毎回、突拍子も衝かないことばかりだからだ。
 今だって、僕が今年の夏の暑さは異常だとか、昨日何処其処で火事が起きたとか、当たり障りの無い普通の話しをしていたら、突然、今までぼんやりと眺めていた窓の外から、僕のほうへと向き直り、あのような事を訊くのだ。
 「色って・・・・、青だろう?」
それ以外無いじゃないかと言う色合いを含んだ疑問は、彼のニタリとした微笑にあっさりと打ち砕かれる。
「それは君の目にそう見えるだけだろう?本当は違うかも知れないじゃあないか。そうだな。例えば、緑色をしている可能性が無いとは言い切れないだろう?」
 つまり僕の目が、光の反射での色の感じ方が、可笑しいと言う可能性が無いとは言い切れないと言っているのだ。僕は混乱した。口が無意識にパクパク動く―――反論したくとも言葉が出ずにいるのを、思考の奥の奥で曖昧に感じていた。彼は困ったように笑って、
 「冗談だよ。冗談。空の色は青色に違いない」
誤魔化すようにそう言う。僕は何が何だか分からなくなって、僕にとって何の意味も持たない言葉を、口は勝手に零している。
 「空が曇ってきたね。如何だい、外に出てみて論じるのも気分転換になって良いと思うのだけれども」
「ああ」
彼は変な人間で、日が照っているときには外に出たがらないのだ。彼と会ってから、曇っているときの散歩は僕の日常となった。
 何時だったか、僕が彼のことを吸血鬼みたいだと言ったら彼は、
 「そうかも知れないね」
と言うのだ。僕は驚いて、其れから一週間ほど、本気で彼のことを吸血鬼だと思っていた。
 兎も角、彼が変わっていることには変わりなく、得てして、彼と話す内容も一般の人の其れとは少し異なるものが多かった。
 先ず、彼の問いかけから始まり、僕の拙い言葉で出来上がった返答、そして其れに対する彼の返事、という会話の内容は、返答が疑問や沈黙に変わることがあっても、其れ全体はあまり変わらず、偶に、先生が出来の悪い生徒に問題を出して楽しんでいるかのようだ、と思うこともあった。
 その日の話題は、先程まで話していた『空の色について』の延長だった。
 「・・・・色の名前というのはね、人間が勝手に付けたものであって、元々付けてあったものじゃないんだ。そうだろう?」
「その通りだと思うよ。」
「そう、だから緑色と言われている色が青色と言われている色であっても可笑しくは無いわけだ。」
「う・・・ん?」
どうにも納得できなかった、と言うより理解しがたかったのだ。青色が緑色で、青なのか緑なのかはっきりとして欲しかった。
「難しかったかな?じゃあ、こうしよう。君は今さっき、空の色は青色だと言ったね?」
「・・・・・・」
君も言ったじゃないか、と言おうと思ったが、彼の話の腰の骨を折るのは――何故だか、気が引けた。言っても何にもならないというのも一理あるかもしれないが。
「ある朝、君が起きたとする。其の日は快晴で、君が隣近所の人に『今日は空がとても青くて気持ち良いですね』と言ったら、一人なら未だしも、皆が皆『何を言っているんだ。空の色はこんなにも緑じゃないか。ああ本当に気持ち良い緑だ』と答えてくる。君はそれでも、空は青いと思うかい?」
僕が空を青だと言ったら・・・・、皆が緑だと言う・・・・。青、蒼、碧、青・・・・・、緑?
「空の色は緑だと思うかい?」
「・・・うん・・・。」
空の色はそのままで、けれど色の名前は変わっていて・・・。
 自ずと沈黙が続く。カツン、カツンと彼の傘が地面を突く音だけが響く。そういえば彼は何時も傘を持ち歩いていた。黒い蝙蝠傘で、雨が降っても其れを使おうとしないくせに、晴れ間が見えた時にだけ其の傘を差すのだ。
 日傘でもない傘を――其の真っ黒な傘を・・・日の燦々と輝く中で差して歩く姿は少し、異様だった。まるで、其処だけ・・・・、時間が切り取られた――其れも故意に――の様な異質さがあった。
 彼の白い着物――そう、まるで喪服のような着物がはためく様を見ていると、何故だか、何故だか急に焦燥感と、虚脱感が溢れてきた。とても、恐ろしい。
 「う、あ・・・。」
「如何かしたのかい?」
恐ろしい。彼の其の鈴を転がすような声が、僕を襲う。止めろ。此れ以上近付くな。僕を、僕を・・・。発狂とは此の様な状態の事を言うのだろうか。等と、奇妙な程に冷静な自分を、遠く、感じていた。
「うあああああぁ!」
「如何かしたのかい?」
止めろ。僕を、僕を・・・。コワサ、ナイデ・・・クレ・・・。
刹那。プツンと僕の中の何かが切れた。今思えば其れは、理性だったのかもしれない。
 
目覚めると其処は、僕の部屋だった。卓袱台と其の上に筆立て、後は書棚位しかない簡素で、味気の無い部屋に帰っていた。
 可笑しい。在り得ない事だ。確かに、僕は・・・・。
 
 走った。僕は脇目も振らずに走った。あの家は、彼の家は何処だ。何処に在る!
 見知った角を曲がって、通い慣れた道を走る。
――無い。――――
 よくある昔話のように、狐狸に化かされたかのように、其の家は無かった。
 其れがとても、何故かとても、其の家に、彼の家に・・・、相応しいように思えた。目を凝らしてよく見てみる。当然のように、彼はいなかった。彼もまた、自然に消えていた。
 だが僕は見たのだ。聞いたのだ。彼の姿を。彼の言葉を。空が緑と呼ばれる世界を・・・・。
 ふと、先程までのことを回想してみた。僕が叫んで、そして・・・・。ん?此の赫は何だ。記憶にこびりついている。何故だ?此の赫は誰のものだ?誰の・・・・・・。
 ――思い出した。
確か其の後、僕の中で何かが切れて、そして・・・、恐ろしくなって発狂していた僕は、彼に襲い掛かって、彼を道路の端へと・・・突き飛ばした。そうしたら彼の額に・・・、赫い、トロッとした液体が・・・・。
 「うあああああぁ」
思い出したくない。思い出したくないぃィィ。其れを思い出したら、僕は、僕は、きっと・・・。
―――コワレテシマウ。―――
 
 
彼は、兎に角消えてしまった。それだけは消えない事実だ。
僕は自問自答する。
彼は何者だったのか。
きっと何者でもなかったのに違いない。否、敢えて言うなら僕自身か、僕自身が見せた幻。否。幻などではない。彼は幻ではなく、只、この世に形として体を成すことが出来ない存在だったのだ。
 彼は何処へ行ったのか。
きっと、何処へも行ってはいない。彼は元々存在せず、だからこそ、何処にでも存在していたのだ。そして今も、あちらこちらに・・・・。
 
 其処まで考えていたとき気付いた。彼と何時何処で出会ったか僕は覚えていない。
 如何やって出会ったのだろう?僕が慣れ親しんでいる此の町で迷うことは少し考えにくい。どうやって出会ったのだろう?道を歩いている時にばったりと?
 面倒臭くなってきた。分からないことは分からないままにしておこうと思えてきた。まるで、彼自身を表しているようじゃないか。もしかすると、僕は彼が如何いう風に消えたのかさえ忘れてしまうかもしれない。
 
 でもきっと、彼が見せた、緑の空の世界。赫い血の色。其れだけは忘れないだろう。
 ぐるぐると渦巻いて、僕の心の奥底で何時か、飛び出る其の時まで。僕を形成していくのだ。
 
 彼はまた僕の前に現れるだろう。
「僕がまた現れる可能性が無いとでも思ったかい?」
鈴の鳴るような声と、天人のような微笑を伴って・・・。
 
 空が緑と呼ばれるようになる可能性が有るのと同じように、彼が再び現れる可能性も有る。僕は、彼が戻ってくることを望んでいる。彼が現れるまでずっと、僕は待っていよう。心の片隅を空けて。其処が彼の居場所になるように。待ち続けよう。青が緑と呼ばれるまで・・・・。
 
今、僕はあの空を何色に見る・・・・・・?
 
あの、空の色・・・。
遠き日の思い出・・・。




この頃は京極にどっぷりだったな。んで今より文は青臭い。なんか青春って感じだ(ドコが?)。
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HN
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ナイスミッシェル
頑張ってお猫様と共に暮らしてください。
明日もピンチだ!!いゃ、眠たいのだよ。携帯から 書いてるしね!!
ぢゃあ★
2007/06/06(Wed)00:03:35 編集
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国旗と一緒にイギリスも動きます。そして忍び寄るアメリカの影・・・。
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